「朝に3分間深紅色のLEDライトを目に当てる」だけで老眼が改善 英の研究
特定の波長の深紅色のLEDライトを朝に3分間目に照射するだけで、加齢が原因で低下している視力が有意に改善されることを英国の研究チームが発見した。研究チームでは「将来、朝コーヒーを飲むようにLEDライトを目に当てる生活が来るかもしれない」とし、安価に提供できるデバイスの実用化に取り組むとしている。
効果があったのは朝のみ、午後は効果なし
そこで研究チームは、34歳から70歳までの眼疾患ののない被験者20人(女性13人、男性7人)を対象に、ミトコンドリアの活性を高めるとされる670nm(ナノメートル)波長の深紅色のLEDライトを朝と午後のそれぞれに3分間照射する臨床試験を行った。結果、興味深いことに朝の時間帯(午前8時から9時の間)に照射した場合のみ、最高で20%程度視力の改善が見られたという。午後の時間帯に照射した場合では改善は見られなかった。なお照射したLEDライトの光はわずか8mW / cm2のエネルギーで暗く、目に負担はかからないものだとしている。
なおこの研究成果に基づいたLEDライトを実用化するため、研究チームでは民間企業と安価なデバイスの開発に取り組んでいる。現在市場に出回っている治療用のLEDライト(波長等、仕組みは全く違う別製品)はアメリカでは2万ドル以上の価格となっており、取り入れやすい安価なデバイスのニーズは非常に高いと想定される。ジェフリー教授は「使いやすいデバイスを手頃な価格で一般の人々が利用できるようになると確信している。近い将来、コーヒーを淹れるとき、またはポッドキャストを聞く通勤中に、週に1回、深紅の光を3分間目に当てよう、という(習慣が)普及するかもしれない。こんなシンプルなことで世界中のアイケアとビジョンケアが変わる可能性がある」と述べている。