「イオントロニクス技術」に基づく高速浸透ニードルデバイスを開発するbionto、シードラウンドで6,000万円の資金調達
皮膚から非侵襲的に薬剤を投与できるニードルデバイスを研究開発する東北大学発のバイオスタートアップ「bionto」が、シードラウンドで6,000万円の資金調達を実施したと発表した。調達資金で研究開発などを加速させるとしている。
「イオントロニクス技術」で薬剤を皮膚経由で高速浸透

同社がデバイス開発の基盤技術とする「イオントロニクス」とは、イオン(電解質)とエレクトロニクス(電子工学)を組み合わせた学際的な技術分野で、人体の60%を占める水分(体液)に含まれるイオンの動きを利用して情報やエネルギーを制御・伝達することを可能するという。東北大学大学院工学研究科の西澤松彦教授が開発した独自技術で、同氏はこの分野の世界的権威。
同社はこの独自技術を活用し、ニードルデバイスを研究開発中だ。電気浸透流(EOF/Electro-osmotic Flow)を作り出し、皮内に一方向への水の流れを生成させることで、多量・高速の投与が可能だという。このため注射や服薬といった既存手法と比べ、これらの手法では難しかった薬剤への応用や、侵襲性・浸透性、また患者への負担において有利だとしている。
なお同社は2025年10月8日(水)〜10月10日(金)までパシフィコ横浜で開催される「ジャパン・ヘルスケアベンチャー・サミット 2025」にブース出展し、開発中デバイスのサンプルを展示する。