双方向の会話を自動音声認識し字幕化、動画や音声もリアルタイム共有できる遠隔ICUシステム登場

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 ICU専門医の不足対策や、コロナ禍における感染対策として、遠隔でICUスタッフの支援を行う「遠隔ICU」システムが注目されているが、東京のスタートアップが文字、動画、音声を同時に、ほぼリアルタイムで共有できるシステムを開発した。東京都の助成を受けており、パンデミックにおける重症者の管理ソリューションとして普及を目指すという。

画像、テキスト、音声を同時共有 9人までの同時モニタリングに対応

 システムを開発したのは天馬諮問(東京都)。同社は製薬メーカーのデジタル部門からのスピンアウト企業で独自の映像圧縮技術を保持しており、これまで、3G回線下でも救急搬送映像を搬送先から病院へ高解像度で伝送するシステムなどを実用化している。既存の画像圧縮技術と比べて約1/3のデータ量でありながら、映像の最小単位であるドットを1/2まで細分化することで高精細画像を伝送することができるという。都の助成を受けて開発した今回のシステムでは、その独自技術を活用したICU患者映像の伝送だけでなく、医療従事者が処置に集中できるよう、音声でのコミュニケーション時でも自動で書き起こしチャットとして表示する機能などが実装された。

 同システムは9人までの複数の患者を同時確認できるように設計されており、特定の患者の画面を適宜拡大することもできる。同社では、今回のシステムはパンデミックにおける重症者のモニタリング、ケアに焦点を当てており、今後は救急搬送時のトリアージング、自宅療養者のモニタリング、治療を終えた患者の自宅回復療養のモニタリングなどにも応用できるとしている。

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Posted by medit-tech-admin