「使い切り」のホルター心電計、パイロット販売開始 ビジネスモデルを検証
アステラス製薬、日東電工、およびエムハート(岩手県)は、使い切りのホルター心電計「EG Holter™」のパイロット販売を開始した。アステラス製薬が専用のECサイトを開設し、5,000台限定で販売する。ビジネスモデルを検証後、本格展開を検討する。
使い切りで患者の来院数削減、解析はAI
今回パイロット販売を開始した「EG Holter™」は、日東電工が設計・製造するホルター心電計。厚さ6 mm、重さ11 gと小型かつコードレスで付け外しが簡便なうえ、防水性能(IPX4)を備えている。使い切り仕様のためメンテナンスも不要で、患者にとっても衛生的だ。この使い切りの心電計を活用すれば、機器使用の日程調整や測定後の患者の来院が不要となり、検査実施のハードルが下がることが期待される。なお心電計は計測終了後、患者が自身で専用の封筒に入れ郵送で返却。デバイス内のデータは、エムハートとアステラス製薬が共同開発した解析プログラム「マイホルターII」で解析される。このプログラムは人工知能(AI)の解析アルゴリズムを内蔵しており、迅速に解析結果をクラウド経由で医療機関に通知する。
ホルター心電図検査は、心疾患の兆候を早期発見するのに有効だが、既存機器は取り付けが容易ではないうえ取り扱いが煩雑であり、検査普及の課題となっている。3社は国内で70万人以上の患者がいると推定される心房細動等の早期発見、適切な治療につなげるトータルソリューションを提供することで、この課題解決に寄与するとしている。