Appleが「AirPods」状の機器を脳波計にする特許を取得していたことが明らかに
米Appleが、同社の人気ワイヤレスイヤホン「AirPods」を想定していると思われる形状の機器に、脳波計の機能を搭載するための特許を申請し7月20日付で承認されていたことが明らかになった。特許情報が米国特許商標庁(USPTO)の特許データベースで公開された。
同庁が公開した文書(リンク)によると、システム構成としてはイヤーパッド部に複数の電極を搭載し脳波を測定するが、その電極全てを使うわけではなく、複数のサブセット(採用する電極の組み合わせ)を用意しておき、切り替えることができる仕組みを採用するもよう。これは個々人により耳内部の形状などでセンシングの精度が異なると予想されるためと考えられ、ユーザーが自らサブセットを本体の特定の場所をタップすることで切り替え可能とするようだ。この機能が、最初のいわゆる最適なサブセットを選択するための「キャリブレーション」用なのか、それともサブセットごとに異なる測定ができるようにしておき、それを切り替えるためなのかは定かではない。サブセットは1つ以上を設定するとしている。
公開されているイラストからは、明らかに既存の「AirPods」を想定した機器に、脳波計機能をプラスオンするものと想定されるが、特許戦略上当然ながら既存の個体に対するものとは明記されていない。また実装を考えた時、この特許のように「イヤーピース」に電極を実装しても、既存のAirPods本体とイヤーピース部を繋ぐ電気回路は存在しないことから、少なくともAirPods本体の機能追加は必須と考えられる。この部分についても何らかの特許を別に取得している可能性もある。
いずれにしろ、AppleがApple Watchに続いて自社のデバイスをヘルスケアデバイスとして進化させようとしていることは明らかで、今後の商品戦略がさらに注目されそうだ。