ドイツの医療ベンチャーが、スマートフォンのカメラで目を10秒程度スキャンするだけで新型コロナウイルスの感染を検出できるシステムを開発した。検出精度はPCR検査と同等で97%としており、現在ドイツでの承認手続きを進めているほか、各国での展開を視野に入れているという。
非侵襲で結膜炎の有無をAIが判断、スマートフォン経由で検査結果を返信
システムを開発したのはドイツの医療ベンチャーSEMIC RF社。新型コロナウイルス感染症は発症すると結膜炎が起きることが知られているが、同社は以前より研究していた、スマートフォンカメラの解像度で白色瞳孔の解析ができる技術を応用するかたちで開発した。10秒程度、200万画素以上のカメラで目をスキャンしたデータをサーバに送ると、サーバに搭載されているAIが3〜5分で検査結果を返す。左目をスキャンする方が精度が高く、検体を使用するPCR検査とも同等の感度97%を達成しているという。なおデータの取り扱いについては、EUのGDPRデータ保護ガイドラインに適合しており個人データは転送されない。
システムとしては100万人の利用者から同時にスキャンデータを送付されても対応できる仕様だといい、同社では大規模イベントや会議でも活用できるとしている。現在ドイツ国内での承認手続きに入っているが、国際特許を取得しており日本を含めた各国での展開を視野に入れている。