症例や疾患名から医療機器の情報を検索できるサービスが、医療従事者向けに無償提供を開始した。まずは整形外科の外傷分野からサービスインするが、順次分野を拡大するという。コロナ禍により製品デモの機会が減少するなど、医療従事者と医療機器会社の情報共有が難しくなっている問題を解消したいとしている。 医療機器と症例の情報を紐付け、症例データベースとしても機能 [gallery link="file" columns="2" size="full" ids="8868,8869"] サービスを開始したのは、Medeco(東京都)が提供する「medeco」。21年3月より複数の医師やメーカー等との概念実証を行ってきたという。現在、医療機器を検索する手段はインターネットから各社の製品情報をダウンロードするか、直接メールや電話で問い合わせるといったものしかなく、また、扱う症例や手術要件に適したものを探す手間もかかる。こうした作業は、医療機関と取引のある医療機器ディーラーに依頼することもあるが、コロナ禍で面談や情報共有する機会自体が困難になっているため、医療従事者の大きな負担となっている。実際、同社には情報共有を望む声が多数寄せられているという。 「medeco」は、医療機器の製品情報を検索できるほかに、情報共有サイトとしての機能を備えた。例えば医療従事者が登録した医療機器に関する症例も検索できるようになっており、機器名からだけではなく、医療従事者が担当する患者の症例や手術などのタスクからでも探せるようになっている。症例だけを検索することも可能で、医療従事者同士の学び合いも期待できるという。 同社では今後、医療機器に対する医療従事者向けのアンケートなど医療機器ディーラー、メーカー向けの機能も拡充させ、医療機器の情報流通プラットフォームとして成長させたいとしている。