国立成育医療研究センターと乳幼児向けのデジタル医療ソリューションを展開するKids Public(東京都)は、小児科に特化した同社のオンライン医療サービスを活用した群とそうでない群をランダム化比較試験で比較したところ、活用群においてアトピー性皮膚炎の有症率が有意に下がっていたと発表した。 生後4ヵ月時点の有症率、13%低下 研究成果を発表したのは、小児科に特化したオンライン医療相談「小児科オンライン」などを展開するKids Public(東京都)と、国立成育医療研究センター 政策科学研究部の安藤友久共同研究員、竹原健二部⾧らの研究グループ。オンライン医療相談が生後 4 ヵ月時点の子どものアトピー性皮膚炎の有症率にどのような影響を与えるのかを調べる共同研究を行った。 具体的には、2017 年 11 月 1 日~2018 年 5 月 31 日の間に横浜市栄区に出生連絡票を提出した母子のうち280名弱を、オンライン医療相談などを提供する介入群と、提供しない対照群にランダムに振り分け、介入群にはオンライン医療相談などを提供、対照群には提供せずに子どもの健康状態を観察した。その結果、介入群は対照群と比べ生後 4 ヵ月時点のアトピー性皮膚炎の有症率が 13%低くなった。研究チームでは、これはオンライン医療相談で小児科医から直接受ける自宅でのスキンケア方法についてのアドバイス、またメールマガジンでスキンケアの重要性などの情報を得られる環境が、アトピー性皮膚炎を抑えることに有効であることを示唆したとしている。なお研究成果は2022 年2月17日に英文雑誌「JMIR Pediatrics and Parenting」に掲載された。 論文リンク:Effectiveness of Pediatric Teleconsultation to Prevent Skin Conditions in Infants and Reduce Parenting Stress in Mothers: Randomized Controlled Trial(JMIR Pediatrics and Parenting)