中枢神経領域における医療AIを提供する日本のスタートアップSplink(東京都)は15日、同社の脳画像解析プログラムが認知症診断支援ソフトウェアとして薬事認可を取得したと発表した。同社が以前から提供している脳ドック用プログラムを発展させたもので、脳MRI画像を解析し目視では分かりにくい萎縮の有無も検出できるという。 脳形態を解析、数値化 薬事認可を取得したのは、同社の脳画像解析プログラム「Braineer(ブレイニア)」。脳形態に着目し、頭部MRIデータを解析することで診断に役立つ情報を提供し、診断支援する医療機器プログラム。具体的には重要な脳部位における萎縮の有無を定量・数値化したり、脳全体の萎縮パターンを提示できるという。同社ではこの医療機器プログラムによって、目視では気づくことが難しい脳の状態や、認知症に関連する萎縮を簡便に評価できるようになるとしている。 同社は以前より、記憶や学習の中枢を司る海馬を脳MRI画像からAIで測定する脳ドック用プログラムを展開しており、都内を中心に複数の医療機関で利用実績がある。「Braineer」はここで得られた知見を発展させ、診断・治療フェーズにおける認知症見逃しを防ぐことを目的に開発された。同社では「人々の脳の健康状態がより身近に把握され、今まで病気が見逃されていたケース、または早期発見がなされていなかったケースがなくなれば」と意義を語っている。