Apple、米国医療機関を対象にEHR登録システムを開放

 

AppleのWebサイトより

Appleのヘルスケア担当の幹部が先月末、これまで一部の機関のみ対象としていた同社の医療情報システムの対象を拡大し、米国内で互換性のあるシステムを採用する機関は、自由に登録できるようにしたと発表した。登録した医療機関の患者は、iPhoneの「ヘルスケア」アプリに自らの医療情報をダウンロードできる。

互換性があれば、登録するだけで「PHR」が完成

先月末、Appleのヘルスケア担当幹部で医師のRicky Bloomfield氏が自身のSNSアカウントで明かしたところによると、先月末よりWebサイト上で、医療機関が自由に登録できるようにしたという。これまでも退役軍人局など一部機関との連携は行なっていたが、今後は基本的に米国内ならすべての医療機関を対象とする。登録した医療機関の患者は、iPhoneの「ヘルスケア」アプリ内で医療機関を選ぶことができ、自分のiPhoneに自身の医療情報をダウンロードできるようになるという。

なおAppleが用意している医療情報システムが対応する規格は「FHIR」と明記されており※1、医療機関はこの規格に医療情報システムを対応させる必要がある。

※1 FHIRとは
正式には「HL7 Fast Healthcare Interoperability Resources(ファイア)」。医療情報交換の国際標準規格であるHL7の中で新しく定義されている規格。インターネットをベースとした、シンプルかつ効率的な情報共有を実現する次世代の医療情報標準規格として注目されており、Googleでは既存のPHRのデータをこの規格に落とし込み、入院患者の経過予測実験を行うなどしている(既報)