Appleが新たに「睡眠時無呼吸通知」「聴力検査」「補聴器機能」を実用化、日本でも間もなく利用可能に

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 Appleが日本時間の2024年9月10日に新製品発表イベントを開催し、3つの新たなヘルスケア関連の新機能を発表した。いずれも治療されずに放置されることの多い睡眠時無呼吸と難聴の検出にフォーカスしており、日本を含む規制当局の認可もまもなく降りるとしている。

新たに睡眠時無呼吸を通知する機能を実装

 
 今回新たに発表された「呼吸の乱れ」と呼ばれる機能(英語名:Breathing Disturbances)は、加速度センサーを使い、睡眠中の正常な呼吸パターンの中断に関連する手首のわずかな動きを検出するものだという。対応するApple Watchを装着している限り、呼吸の乱れのデータを分析し、中等度から重度の睡眠時無呼吸の一貫した兆候が見られる場合には30日ごとにユーザーに通知する。解析結果は「ヘルスケア」アプリで確認できる。通知を受けた場合、睡眠時無呼吸が発生した可能性がある時点から3か月分の呼吸の乱れのデータ、および追加情報を含むPDFを書き出すことができる。この機能により、医療機関に睡眠時のデータを共有し、データに基づいた診療を受けることができるとしている。なおこの機能の開発にあたりもちろん臨床研究を行っており、研究では、通知を受けた被験者全員が軽度以上の睡眠時無呼吸だったという。対応するApple WatchはSeries 9、10、Ultra 2となっている。

「純音聴力検査」機能を搭載

 また、新たにAppleは純音聴力検査機能も実装する。対応するのはAir Pods Pro 2。大規模な臨床研究「Apple Hearing Study」で既存法に対する非劣性が証明されており、ペアリングされたiPhoneまたはiPadと連動して5分程度の聴力検査を行い、結果を「ヘルスケア」アプリに表示する。

 検査が完了すると、それぞれの耳の難聴の度合いを示す数値、分類、推奨事項を含む、検査結果のサマリーがヘルスケアアプリで確認できるようになる。オージオグラムを含む結果は医療機関と共有可能だ。

検査結果に基づいた補聴器機能を実装

 検査結果は聴力プロファイルとして保存され、軽度から中程度の難聴と思われるユーザーについては、このプロファイルに基づいた補聴器機能が使用可能となる。設定が完了すると、この機能によってパーソナライズされた動的な調整が行われる。つまり、音楽、映画、ゲーム、通話といった状況を検知し自動的に適用され、ダイナミックに音響環境を変化させるのだ。これとは別に、専門家によって作成されたオージオグラムでヒアリング補助機能をマニュアルで設定することもできる。これらの機能についても規制当局による認証手続きが進んでおり、世界保健機構(WHO)や日本を含む100カ国以上でこの秋に利用可能となる予定。

追記:米国食品医薬品局(FDA)は9月12日、AirPods Pro 2に搭載されるこの機能について、市販補聴器ソフトウェアとして認可した。

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