東大発のロボット義足ベンチャーBionicM、シードラウンドの資金調達

ロボット技術を活用した義足の研究開発に取り組むベンチャーBionicM(バイオニックエム)は、東京大学エッジキャピタル(UTEC)を引受先とする資金調達を実施した。世界初の「ハイブリッドロボット義足」の実用化へ事業基盤を強化する。

バッテリー切れでも動作する「ハイブリッド義足」を開発中

BionicMは、2018年12月に設立されたばかりのベンチャー。CEOで中国出身の孫小軍氏は、9歳の時に右足を切断したが経済的な理由で義足を利用できず、15年間松葉杖での生活を送ったという経歴を持つ。その後交換留学生として来日を果たし義足を装着できたが、「既存の義足の機能不足による不便さ」「義足が高価であるために必要とする人に届いていないこと」に強い課題感を持つようになったという。修士修了後(東京大学)ソニーのエンジニアとして勤務していたが、自ら義足を作ることを決心し東京大学大学院博士課程に進学、ロボット義足の研究に従事し、起業するに至った。

BionicMでは、孫氏が当事者として感じた課題を解決するソリューションとして「ハイブリッド義足」の開発に取組んでいる。ハイブリッド義足とは、普段は電力で歩行をアシストし、バッテリーが切れてもパッシブ型義足と動作する義足のことだ。現在、膝の伸展・屈曲・降出、転倒の防止、椅子からの起立をアシストするロボット膝継手「SuKnee」と、人間の足関節の特性を模倣し、より自然な歩行姿勢をサポートする足部「Ankle」の開発に取組んでいる。