VRコンテンツによる精神疾患治療法開発を目指すBiPSEE、2.5億円の資金調達を実施

 VR(Virtual Reality)技術を用いた精神疾患向けの新たな治療法開発に取り組むスタートアップ、BiPSEE(東京都)は、第三者割当増資により2.5億円の資金調達を実施したと発表した。調達資金を活用して、うつ病患者向けのデジタル技術を活用した治療法開発および臨床試験を進める。

「反すう」に着目し、複数の精神疾患に効果を見込める治療法確立を目指す

 2017年に心療内科医の松村雅代氏によって設立された同社は、VR技術と医学的エビデンスに基づいた精神疾患治療向けの治療法開発などを手掛けるスタートアップ。これまで治療対象としてあまり注目されていない生理反応「反すう」に着目し、これを抑制するための「自己肯定感」を醸成するコンテンツ開発などに取り組んでいる。ネガティブな感情や事柄に対して繰り返し考えてしまう「反すう」はうつ病をはじめとする複数の疾患にみられる横断的な症状で、それぞれの疾患の増悪要因ともなっていることが明らかになっており、同社では薬物療法が奏功しにくいとされる精神疾患領域において新しい手法の治療法確立を目指している。現在高知大学医学部と共同研究を行っており、今回の調達資金を活用し、「反すう」症状に苦しむうつ病患者向けの治療法開発、臨床試験の取り組みを加速させる。