2019年3月25日、CRO(創薬支援)事業などを展開するシミックホールディングスは、ソニーがharmo(ハルモ)ブランドで提供している電子お薬手帳事業を子会社が承継すると発表した。ソニーは技術支援契約を結び、引き続きサービス提供と運営に関わる。
「一社だけで課題を解決しうる時代は終わった」
ソニーが提供する電子お薬手帳サービス「harmo(ハルモ)」は、ソニーの独自技術である非接触型ICカード規格FeliCaなどを活用した電子お薬手帳サービス。2019年3月現在、約850の薬局と80の医療機関にシステムが導入され、日々約30万人に利用されているという。
シミックホールディングスの100%子会社であるシミックヘルスケアは、この電子お薬手帳サービス事業を承継する。同社は今後、harmoで得られる調剤データを活用し、服薬アドヒアランスの向上や服薬期間中の患者フォローなど、電子お薬手帳を用いた患者サポートプログラムを強化する。
同時に、シミックホールディングスはソニーと技術支援契約を締結。事業承継後も、harmoのシステム開発やサービス運用に携わってきたソニーの社員が、シミックヘルスケアで継続してharmo事業に参画するという。
この事業承継に関して、シミックホールディングスの中村和男CEOは「ソニーとの協業は、今後のヘルスケアに関する社会課題解決の在り方に、一石を投じる先進的な取り組みです。社会を取り巻く状況は複雑化の一途をたどり、一社だけで課題を解決しうる時代は終わりました。これからは多くのステークホルダーが手を取り合い、得意な分野で貢献することで、社会を変えることが求められています。」とコメントを寄せている。