カラーチャートによる色補正で、スマホ動画での脈波計測が可能に 千葉大と金沢大

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専用のカラーチャートによる色補正を行うことで、スマートフォンでの動画撮影でも精確な脈波測定や顔色の所見が得られる可能性が示された。千葉大と金沢大学の研究チームが発表したもので、医師と患者双方がカラーチャートを使い色補正を行ったところ、顔の動画から心拍数、呼吸数、ヘモグロビン量などのバイタル情報を取得することに成功したという。

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安価なカラーチャートを使用し、適切な色補正を実現

研究成果を発表したのは、千葉大学大学院工学研究院イメージング科学コース 津村徳道 准教授と、金沢大学附属病院漢方医学科 小川恵子 特任准教授を中心とする共同研究チーム。スマートフォンなどのカメラでも実施が可能なオンライン診療は、先ごろ国が示した恒久化の方針により今後本格的な普及が見込まれるが、デバイスの特性や患者の居場所の照明によって色の違いが起きるという課題がある。

研究チームではこの課題の解消を目指し、DICとの共同研究 でオンライン診療向けの色再現用カラーチャートを作成。これを患者と医師の双方に予め配布し、患者側が画面上に表示させたカラーチャー トと、医師側の手元にあるカラーチャートの色を合わせるように画像の色を補正することで、より正確な色再現が可能であることを証明した。金沢大学附属病院漢方医学科の協力により8人の医師による検証が行われ、概ね前向きの評価を得られたとしている。

カメラの動画からの脈波計測にも成功

また色補正したことによって、顔動画データから血流を示す脈波の計測にも成功し、これにより心拍数、呼吸数、ヘモグロビン量などのバイタル情報を取得することに成功したという。これは研究チームの一員である千葉大学津村教授の研究成果を応用したもので、教授は以前RGBカメラによる動画像撮影で、ポリグラフに近い精度をもって脈波データを取得することに成功しており、この成果がスマートフォンカメラでも活用できることが分かったという。研究チームではこれらの研究成果の融合により、スマートフォン上で高品質な遠隔診療への応用が期待できる高度な画像処理システムが実現したとし、将来的には顔以外の部位の動画でも成果を見出したいとしている。

なお開発したカラーチャートのオンライン診療に関する評価については、論文が「Artificial Life and Robotics」誌に掲載されている。

外部リンク(論文):Development of a camera-based remote diagnostic system focused on color reproduction using color charts(Artificial Life and Robotics)

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