2017年7月18日、疾患治療用プログラム医療機器として「治療アプリ」の研究開発から製造販売を事業とするキュア・アップと、オンラインカウンセリングやスマートフォンアプリによる心理ケアを提供するヒカリラボは、法人向けにアプリとオンライン遠隔指導を組み合わせた「メンタル・カウンセリングプログラム」の開発・提供にあたり業務提携を行い、今年秋からのサービス開始を目指すと発表した。
認知行動療法に基づいたRPG『SPARX』にオンライン・カウンセリングを付加
ヒカリラボが展開するRPG(ロールプレイングゲーム)『SPARX』は、オークランド大学よって開発された認知行動療法に基づく心理ケアをRPGをプレイする中で提供するというもの。ユネスコNetexplo主催国際デジタルアワード2013で受賞するなど海外では高く評価されており、ヒカリラボはこのプログラムの日本展開を担っている。一方のキュア・アップはともに慶應義塾大学医学部出身の医師である佐竹晃太医師、鈴木晋医師が創業したベンチャー。日本ではこれまでほぼ見られないソフトウェア単体の医療機器の研究開発、販売を目指している。2015年11月にはニコチン依存症の治療に資するプログラムの研究開発、また2016年10月には、NASH(非アルコール性脂肪肝炎)治療アプリの臨床研究を開始し、2017年4月にはその成果を活かし、法人向けに完全オンラインの禁煙プログラム『ascure(アスキュア)禁煙プログラム』の提供を開始した。
今回それぞれの強みを活かし、次のような特徴を持つオンライン・カウンセリングプログラムの開発提供を目指すという。
1. 認知行動療法に基づいたアプリ『S P A R X』による心理ケアの提供
『SPARX』の機能に、キュア・アップの「治療アプリ」や「法人向けモバイルヘルスプログラム」の知見を活かした機能を追加し、より日本の社会人に適した支援プログラムを提供する。2. 完全オンラインの遠隔指導(カウンセリング)を、長期6 カ月間提供
ビデオ通話による完全オンラインの、有資格者による指導(カウンセリング)を6カ月間提供する。6カ月にわたる長期のサポートを行なうことで、終了後の不調の再発を防ぐ狙いもある。
今回の提携について、Med IT Techではキュア・アップ、ヒカリラボ双方よりコメントを得た。
「うつなどのメンタルヘルスの問題は、企業や社会にとって生産性の低下やイメージの棄損を招くほか、何よりも個々人にとっての生活の質を大きく下げてしまう。うつ病と診断されて休職せざるを得なくなる前に、自発的に通いたくなるような魅力的なメンタル・カウンセリングプログラムの存在は非常に重要と考え、今回の提携に至った。」
株式会社キュア・アップ 代表取締役CEO 兼 医師 佐竹晃太氏
「メンタルヘルスの重要性は認知され始めているにも関わらず、いざ自分が不調になってしまうとアクションを起こすことは難しい。このサービスを通して、少しでも多くの人がより早い段階でケアを受けてくれるようになったらと思う。」
株式会社ヒカリラボ 代表取締役 清水あやこ氏