世界初の「禁煙ソーシャル・インパクト・ボンド」が豊中市で開始、キュア・アップが受託

 

疾患治療用プログラム医療機器として「治療アプリ®︎」の研究開発を進めるキュア・アップ、大阪府豊中市らは、世界初となる「禁煙施策に対するソーシャル・インパクト・ボンド」を開始すると発表した。キュア・アップがすでに展開しているスマートフォンアプリを活用した「卒煙プログラム」を豊中市民、在勤者に提供し、成果に応じて委託料を受け取る。1年後をめどに禁煙達成状況を確認する。

豊中市民は無料、在勤者は3,000円

ソーシャル・インパクト・ボンド(SIB)は、⺠間から調達した資⾦で事業者が⾏政サービスを市⺠へ提供し、その成果に応じて⾏政が委託料を⽀払う新たな官⺠連携⼿法。2010 年にイギリスで始まり、2019 年1⽉時点では24ヵ国で130件、累計で約466 億円の案件が組成された。現在、国内では医療費・介護費の適正化を⽬的とした、ヘルスケア分野のSIBが注⽬されている。
ヘルスケア分野のサービスを⾃治体に提供することで、住⺠のQOL 向上、疾病の予防・早期発⾒が期待でき、これにより社会保障費ならびに医療費・介護費の適正化を見込める。期待できる介護費・医療費適正効果はサービス提供費を⼤きく上回ると⾔われており、厚⽣労働省や経済産業省、内閣府などより推進されている事業のひとつだ。
今回スタートする「とよなか卒煙プロジェクト」は、豊中市が豊中市在住・在勤者を対象に、喫煙や受動喫煙による疾病の予防と健康寿命の延伸を⽬的に禁煙への動機付けや禁煙⽀援を⾏う事業。 キュア・アップが豊中市から委託を受け、従前より展開しているサービス「ascure(アスキュア)卒煙プログラム」を提供する。三井住友銀⾏、社会的投資推進財団が主な資⾦提供者となる。資⾦調達のためSMBC信託銀⾏が信託機能をキュア・アップへ提供し、キュア・アップは信託受益権の販売をプラスソーシャルインベストメント株式会社へ委託する。また、社会的投資推進財団は中間⽀援組織としてプロジェクトの管理運営等の⽀援を行う。
実施期間は2019年6月28日~2022年3月31日までとなっており、豊中市民は無料、在勤者も3,000円で取り組める。同プログラムは6ヵ月で終了、その6ヵ月後に禁煙状況を確認することになっており、1年後に世界初のこのSIBの成果が明らかになる。