2018年1月15日、東京海上日動火災保険とPlanet Wayは、昨年1月から進めていた、ブロックチェーン技術を活用する日本初の医療情報連携の実証事業が完了したと発表した。この技術の活用により、保険金支払いサイトを1カ月程度短縮することが期待できるとしている。
情報を秘匿したまま、支払いサイトを劇的に短縮する可能性を提示
2017年1月に開始されたこの実証事業は、ブロックチェーン技術を医療情報の参照に活用する日本初の実験として、またエストニアの国民番号制度の基盤に採用されているPlanet Way社のセキュアなデータ連携基盤「avenue-cross」を投入する初の国外事例として注目されたもの。
事業にあたっては両社のほか、医療情報を提供する医療機関として福岡の飯塚病院が参加し、実験フィールドの提供は麻生情報システムと福岡地域戦略推進協議会(FDC)が支援。保険契約者の保険金請求に関わる医療情報をブロックチェーンを通じて医療機関に要求し、Planet Way社の「avenue-cross」を通じてデータを受領することで、医療情報に対するセキュリティを確保しながら、保険金支払業務の簡略化・迅速化が実現可能かを検証した。
結果、「契約者との郵送による書類のやり取りの期間」「契約者が医療機関に要求する診断書の作成依頼、取得、提出する期間」を短縮でき、保険金請求から保険金支払までの期間を1カ月程度短縮することが期待できるとした。また「avenue-cross」の堅牢性も確認することができたという。今後両社はこの実証事業で得られた結果を活かし、幅広い分野でのブロックチェーン活用を検討する。