アイリス(東京都)は、自社が保有する咽頭画像の医学データベースを用い、AI(人工知能)が咽頭画像から高い精度で高血圧を検出できることを示す研究成果を発表した。非侵襲の新たな検出方法として臨床応用が期待できるとしている。
AUC0.922を達成
同社が発表した論文によると、日本の複数のプライマリケアのクリニックでインフルエンザ様症状を呈した患者から人口統計学的情報、バイタルサイン、咽頭画像を入手した臨床試験のデータを活用し、その二次解析を行った。対象は64の診療所を受診した7710人の患者データで、同じデータのなかで人口統計学的情報のみで開発した予測モデルとの比較検証も行なった。
結果、咽頭画像の解析で高血圧を予測するAIによる予測モデルは、AUC0.922(95%CI、0.904~0.940)を達成し、人口統計学的情報のみの予測モデルの結果0.887(95%CI、0.862~0.911)を上回った。
同社はこの研究成果について、非侵襲の新たな検出方法として臨床応用が期待でき、具体的には遠隔医療への応用を通じ高血圧の診断漏れを減少できる可能性があるとしている。