経済学部学生が開発した「最適な医薬品の納入価格がわかる」サービスが話題 「ぼくたちにも解決できる分野」

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 先日インターネット上に公開されたあるサービスが、医療関係者の注目と激賞を浴び話題になっている。「医薬品納入価格査定サービス」というもので、公開情報などをもとに医薬品の「適正価格」を算定、実際の購入価格を入力するとその差額を提示する。開発したのは、医療に関わりたいと考えていた経済学部の大学生を中心としたグループだ。中心となっている慶應義塾大学経済学部生の吉野光さんに話を聞いた。

「人の幸せの根本を支えるのが医療だから、関わりたかった」

 「医薬品・医療材料納入価格査定サービス」は、厚生労働省が公開するデータや他クリニックのデータを利用することで、医薬品・医療材料の納入価格が適正かどうか算出してくれるサービス。利用したい医療機関が申し込み後、医薬品卸会社から受け取っている請求書を送付すると、購入価格が適正かどうか、また適正とされる価格からの差額をメールで提示する。利用は無料となっており、サービス開始を知らせる告知がFacebookに投稿されると「これは思いつかなかった」など、医療ベンチャーを含む関係者の大きな注目を浴びた。

 実はこのサービスを開発した中心人物は慶應義塾大学経済学部の吉野光さんを中心としたグループ。以前から自分たちでサービスを作り、誰かの課題解決をするということにインターン経験から興味を持っていた。吉野さんはともに開発に取り組む友人の兄が医師で自身の姉も看護師であることから、医療に関することをしようと決めたという。「人の幸せの根本を支えているのが、医療だから」というのがその理由だ。

 といっても経済学部の彼らは医療の知識がなく、どんなサービスをすれば課題解決になるのか、当初はアイデアが浮かばなかった。そこでtwitterや知人を介し多くの医師に実際に会ってインタビュー。その中で浮かび上がった課題が「医薬品等の納入価格の不明確さ」だった。課題の発見に手間を惜しまず取り組んだことで、サービス開始を知らせる告知を見た多くの医療関係者の好反応を呼び込んだ。吉野さんによると、告知後、実際に数百件の問い合わせがあり申し込みも多くあったという。

 このサービスが評価されたのは、単に算定した「適正価格」と実際の購入価格の差額を提示するだけにとどまらない、新たな提案があるからだ。医療機関にとって、コスト適正化の可能性を見つけるのは大きなメリットだが、医薬品卸との関係を悪化させるのはデメリット。そこで査定を単に価格交渉の材料にしてもらうだけでなく、医薬品卸にもコストカットなどのメリットがある「共同購入」を提案するオプションを組み込んだ。これは規模が小さく、また通常は他の機関と提携することが難しいクリニックにとって大きな価値となる。実際に共同購入では7−10%程度のコストカットが見込めるという。

 吉野さんは今後について「より医療機関のニーズに合うかたちに、また卸会社様ともうまく連携できるように発展させていきたい。自分たちは医療現場に関する知識、経験が足りていないので、アドバイスや協力していただける方を探している」と話している。連絡はこちらで受け付けているとのことだ。

外部リンク:医薬品納入価格査定サービス

 

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