一般財団法人匿名加工医療情報公正利用促進機構(FAST-HDJ)が、2022年4月27日付で次世代医療法に基づく「認定医療情報等取扱受託事業者」として認定を取得したと発表した。同財団は医療機関自身が匿名加工医療情報の収集、利活用に乗り出すために設立された団体で、一般財団法人医療情報システム開発センターの山本隆一理事長がトップを務めている。
受託事業者は日立製作所
2018年に設立されたFAST-HDJは、次世代医療基盤法に基づいて医療機関が直接医療情報を収集するスキームを実現するため設立された団体。理事長は様々な政府の審議会で政策提言をまとめる一般財団法人医療情報システム開発センターの山本隆一理事長が務めるほか、三師会の幹部が役員として名を連ねている。今回、同時に「認定医療情報等取扱受託事業者」として認定されたのは日立。FAST-HDJとの契約に基づき、大学病院や地域中核病院などの大規模の医療機関などからFAST-HDJが収集した医療情報を蓄積するための、データ集積基盤の提供・稼働維持、データの収集保管・抽出・匿名加工支援などを行う。
今後具体的には、SS-MIX2 標準化ストレージ形式の電子カルテデータを中心に、DPC 様式1・EF 統合データ・D,H データ、レセプトデータを収集および名寄せし、提供審査委員会の承認を得た利活用者に対し、匿名加工医療情報のデータセットとして提供する。すでに財団内には、利活用者が匿名加工医療情報を利用できるオンサイトセンターを設置済みだという。また、医療情報を提供する医療機関に対しては、同財団で開発したアプライアンスサーバを無償で設置、各機関の運用に影響ない時間に自動で診療データが送信される環境を提供するとしている。