米食品医薬品局(FDA)が、無症状の新型コロナ感染者を検出できる可能性のあるAI搭載デバイスに対しその機能を認め、初の緊急使用許可を出したと発表した。許可されたのは光学式センサー搭載アームバンドで、数分間の計測で症状のひとつである「血栓ができやすい状態」であるかを判定できるという。
機械学習で検出アルゴリズムを構築 感度98.6%、特異度94.5%
承認されたのは米TigerTech開発の「Tiger Tech COVID Plus Monitor」。フォトプレチスモグラフィー(光電式容積脈波記録法)用の光学式センサーと小型チップが組み込まれたアームバンドで、左腕の肘上に巻いて使用する。3〜5分間血流の脈動を計測することで、新型コロナ患者によくみられる症状である「血液凝固亢進状態」がみられるかを判定するという。判定のアルゴリズムは確率的機械学習モデルで構築されている。
許可申請のために実施された臨床試験では、467人の無症状者(69人の陽性者を含む)に対しこのデバイスによる測定を実施したところ、感度98.6%で陽性者を検出、94.5%の特異度で非感染者を識別した。FDAでは、これはあくまで無症状者に対するデバイスで診断には使えないとしているが、体温測定と組み合わせることで様々な場所での感染抑止に繋がる可能性があるとしている。