「スマート人工膝関節」米国で初手術 術後経過をデータで把握可能に

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this photo courtesy of Zimmer Biomet

 今年、米国食品医薬品局(FDA)が承認した世界初の「スマート人工関節」が、米国内の病院で始めて手術に使われたと発表された。この人工関節にはセンサーが装着されており、患者の日々の歩数、歩行速度などを計測。主治医はクラウド経由でデータを確認できる。専門家は、データで正確に状況を把握できることで、特に術後早期のケアに有用である可能性があるとしている。

人工関節に計測ユニットを装着した「Persona IQ」

 今回人工関節術に使われたのは、「Persona IQ」の製品名でこの8月にFDAより承認を取得した医療機器。本体部分はZimmer Biometが製作、計測ユニットはCanary Medicalが設計している。関節部分にセンサーが装備されており、歩数、歩行速度、可動域などの情報を記録、同じく装着されている通信装置からデータをワイヤレス送信する。送信されたデータは、同梱される受信装置を経由してクラウドに送られ、主治医は患者の状況をデータで確認することができる。

 Canary Medical創設者兼最高医療責任者でもあるクシュナー博士によると、この医療機器はペースメーカーなどの埋め込み型心臓デバイスに使われるものと同じ材料と技術を使用しており、術後1年間は毎日データを収集し、膝の機能に関する客観的で正確な情報を提供するという。ただバッテリーは少なくとも10年間持つよう設計されており、それ以上の期間観察するのも可能としている。

 手術を担当したのは人工関節の聖地とも呼ばれ、現在多く普及している人工関節の開発に深く関わったHSS(Hospital for Special Surgery)の勤務医であるピーター・スカルコ博士。博士は発表の中で「術後の最初の数週間は、回復にあたり患者の努力が必要で、離脱などで回復が思うようにいかない可能性がある。そうならないよう状況を把握するには非常にきめ細かく理解する必要がある」とし、データで確認する有用性を語り「より多くの患者がこうしたスマート人工関節を使うようになれば、膝関節置換術後の歩行指標に関する膨大な量の情報を蓄積でき、将来的には、データ分析と機械学習を使用して、よりエビデンスに基づいたケアの強化につながる可能性がある」と述べている。

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Posted by medit-tech-admin