「富岳」での成果を活用した脳MRI画像の解析前処理サービスをCaaS上で提供開始、数千人分の処理を2日で完了可能

 GMOインターネットグループの「GMO学術サポート&テクノロジー」は、スーパーコンピュータ「富岳」を活用して開発したクラウドコンピューティングサービス(CaaS)上で、脳MRIデータの解析前に必要な処理を提供するサービスを開始した。数千人分のデータ処理を2日で完了できるという。

「富岳」と同じCPUを採用したクラウド上で利用可能

 同社が開始したサービスの特徴は、解析前のMRI画像を、解析目的に合わせ動きや歪みの補正、ノイズ低減などの加工を行う前処理機能。従来2年かかるとされていた数千人の患者の脳MRIのデータ処理時間を2日間に短縮した「富岳」の研究成果を活用しているという。またこのCaaSは「富岳」と同じCPU「A64FX」を採用しているため「富岳」と同様の処理速度が期待できるとしている。

 このサービスは、2023年10月から2024年2月に理化学研究所生命機能科学研究センター脳コネクトミクスイメージングチームによる実証実験でも利用されており、今後、脳MRIを用いた精神神経疾患向けの自動診断AIの開発など、さまざまな研究開発の後押しとなることが期待される。