AI活用で脳卒中評価指標に合わせた色分け表示 富士フィルムが「脳解析ソフトウェア」開発

NEWS

 富士フィルムが、AIを活用した「脳解析ソフトウェア」を開発したと発表した。頭部CT画像から、高信号および低信号領域を強調表示する機能を備えるほか、脳卒中の診断に用いられる指標「ASPECT」スコアに合わせた色分け表示機能も搭載し、専門医へ診断支援を行う。同社の3D画像解析システムのアプリケーションとして2021年5月に発売する。

診断指標に合わせた色分け強調表示

 脳梗塞治療においては、発症後4.5時間以内に血栓を溶解し詰まった脳動脈を再開通させる血管内治療(静注血栓溶解療法)が有効とさ、速やかな診断が求められている。しかし夜間や救急現場では、限られた人数の医師が出血箇所や梗塞領域の確認を行う必要があり、医師の負担を軽減する効率的な画像診断のワークフロー普及が期待されている。今回富士フィルムが開発したソフトウェアは、以下の2つの機能で医師の画像診断を支援するという。

高信号領域・低信号領域の強調表示

頭部CT画像の高信号および低信号領域に色をつけて強調表示する。これらは脳内の出血領域や虚血範囲の評価に用いられており、頭部CT画像診断の支援に繋がることが期待される。

梗塞領域を定量化するASPECTSの算出

 脳梗塞における血管内治療(静注血栓溶解法)の適用可否の判断には、一般に虚血領域の広がりを定量化する「ASPECTS」指標が用いられる。ASPECTSは中大脳動脈領域を10区域に分け、区域別に虚血の有無や広がりを評価し減点方式でスコア化する指標。通常は医師が頭の中で中大脳動脈領域を区分けし、虚血領域の広がりを診るが、このソフトウェアは中大脳動脈領域を自動で10区域に分割、色分け表示するとともに、低信号領域の強調表示結果をスコアリングする。なおソフトウェアが自動表示するスコアリング、および強調表示区域は医師が必要に応じてあとから修正できる。

 なお同社ではこの脳解析ソフトウェアを3D画像解析システム(ワークステーション)「SYNAPSE VINCENT」のアプリケーションとして発売するが、その後は同社のクラウド上で提供するAIプラットフォームのアプリケーションとしても展開していく予定。

※ Alberta Stroke Program Early CT Scoreの略で、Early CT sign(早期虚血サイン)を定量化したスコア法。

関連記事