広島大学、プラチナバイオ、凸版印刷の3者は5日、AIを活用することでゲノム編集のデータ処理を簡易化するゲノム編集支援オープンプラットフォーム「Genome Editing Cloud™」β版を開発したと発表した。2022年のサービス開始を目指すという。
AIがゲノム編集個所についてガイダンス、解析
今回発表された「Genome Editing Cloud™」β版は、プログラミング言語を意識せずに大量のデータを簡易に処理できるGUIを提供する。ゲノム編集の経験がないバイオ企業や研究機関が活用できるよう入力項目を必要最小限とし、対話型インターフェイスを用いて操作性を向上させているという。今回のβ版では、ゲノム編集データ解析をサポートする以下の機能を提供する。
(1)Designer (CRISPR-Cas9ガイド設計)…AIを活用してゲノムの切断箇所を予測し、編集前の設計をサポートする機能
(2)Analyzer (編集配列解析)…切断が正しく行われたかなど、ゲノム編集した配列データを解析する機能
3者は今後もこのプラットフォームの技術開発を続け、2022年の正式サービス開始を目指すとしている。なおプラチナバイオは、広島大学ゲノム編集イノベーションセンター・山本卓教授らの国産ゲノム編集技術の社会実装を目的に設立された大学発ベンチャー。同社CEO、CTOが科学技術振興機構の「産学共創プラットフォーム協働推進プログラム(OPERA)」の「ゲノム編集」産学共創コンソーシアムの構築、統括を行うなど、日本における産学連携を主導してきたことで知られる。