患者による検査とオンライン診療の統合モデルを実用化へ ヘカバイオ関連会社、システムβ版で国内検証開始

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医療ベンチャーの「ヘカバイオデジタルヘルス」社は、医療機関で行われる検査と同精度での検査プロセスを在宅でも提供可能にするというオンライン医療検査・診療用プラットフォームのβ版の開発が完了し、国内で医師による効果検証とパートナー企業の開拓を開始すると発表した。

専用検査機器とオンライン診療を組み合わせ「自宅で検査と診療」が完了

同社は頭頸部がんなどに対する新たな治療法である「α粒子線治療」の機器などを開発販売するヘカバイオ社の関連会社で、イスラエルの技術を日本の投資家に紹介する実業家、ヨアブ・ケイダー氏を共同創設者に2019年に設立されたベンチャー。現在のオンライン診療の課題と言われる「対面診療と比べて医師が得られる情報が少ない」という点を克服するため、自宅でも検査できる操作が容易な検査機器とオンライン診療を組み合わせたモデルの普及を目指している。今回、その基盤となるソフトウェア「メディゲート」のβ版開発が完了した。

「メディゲート」は、尿検査や聴診器検査など、通常は医師の関与がないと完結できない検査を患者が在宅で受けることを可能にするプラットフォーム。現在、聴診、耳の検査、酸素飽和度、体温の複数の検査が行える検査機器「MyHomeDoc」と、自宅で尿検査し、スマートフォンで結果を送ることができるサービス「Healthy.io」と契約し、国内でのサービス展開に統合した。いずれも欧米ですでにサービスインしており、日本でも医療機器申請の段階にあるという。同社としては「メディゲート」はプラットフォームであるとして、他の検査機器、サービスとも連携することを想定している。

同社では今年の秋にも、都内の協力医療機関による検証を開始し、2021年の本格展開を目指すとしているが、同時に様々な企業からのプラットフォームへの参加を募ることとしている。同社のヨアブ・ケイダー社長は「最近になって、新型コロナウィルス感染症の拡大により、オンライン診療は日本でも認知されてきた。このタイミングでビジョンを共有いただけるパートナーの方々をぜひとも開拓したい」と話している。

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