国と神奈川県の新型コロナ患者の管理システムに相次いで不具合 感染者急増でシステム負荷増大が原因か
今年に入ってから新型コロナウイルスの感染拡大が再び勢いを増し、連日各地で新規感染者数の記録更新が続いているが、それにともない感染者の情報を管理する厚生労働省、および神奈川県が運用するシステムに相次いで不具合が発生した。致命的なものではないが、爆発的な感染者増は、ITシステムにも大きな影響を与えている。
厚労省「HER-SYS」で情報入力できない不具合発生
厚生労働省は20日、同省が管理運営する「新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム(HER-SYS)」で情報入力できない不具合が同日午後に発生し、夕方に復旧したと発表した。同省によると、不具合は19日夕に初めて発生し一時収まったが、その後ふたたび、20日13時30分から18時30分ごろにかけ継続的に発生。東京都、大阪府、神奈川県などの医療機関がシステムにログインできないか、ログインできてもその後の画面で操作ができないなどの現象が起きた。原因は感染者情報を入力しようとする医療機関などのアクセスが集中したためで、システムは米Microsoftのクラウドサービス「Azure」上に構築しているため、サーバを増強することで不具合を解消したという。同省は今後のため同日付で事務連絡を発出し、不具合が発生しシステムに入力ができない場合はメールまたはファックスで発生届を送付するよう求めた。
神奈川県のLINEアプリ経由のシステムも一部不具合
また、神奈川県は、LINE社のメッセージングアプリ「LINE」内で展開している、県内の自宅療養者向けサポートシステム「神奈川県療養サポート」で一部不具合が発生していることを利用者に通知した。通知によると、このシステムに登録した自宅療養者には毎日1回、自動で体温や、SPO2チェッカーの計測結果などを聞きとるチャットを発信しているが、感染者数の急激な増加で動作が途中で止まってしまう例が出ているという。利用者に対しては、この不具合が発生した場合に限り利用者自身がコマンドをチャット入力し、体温やSPO2計測値を入力するよう求めている。