2019年5月16日、広島大学とNTTドコモは、次世代通信規格「5G」を使った共同研究についての協定を結んだと発表した。幅広い分野での取り組みを行うが、医療分野での活用研究に重きをおくとみられる。
5G回線を活用した遠隔医療や脳波データ解析も
この日両者は協定調印式を行い、今後の取り組みについて会見で見通しを語った。具体的に検討されている取り組みとして、手術室内の医療機器の映像をリアルタイムで遠隔地に送り、専門医が過疎地の医師に指示を出す遠隔医療の一形態や、容量が大きくこれまでは伝送が困難であった脳波データのクラウド上での解析などをあげた。いずれも大容量・低遅延の5G回線ならではの活用だという。
広島大学はこれまでドローンによる配送実験など個別に共同研究をしたことはあるが、包括的な協定をドコモと結ぶのは初めて。会見に出席したドコモ中国支社長の上野智久氏は「広島大学は特に医療分野が強い。中国地方は過疎化が進む地域もあり、遠隔医療のニーズは高い」と今後の共同研究の進展に意欲を見せた。