日本の医療ベンチャーであるメロディ・インターナショナルが提供する日本初のIoT型胎児モニター「分娩監視装置iCTG」と周産期遠隔医療プラットフォーム「Melody i」サービスが、ブータン政府の支持を受け、国家政策として全国的に導入されることが発表された。日本の医療ベンチャーの医療機器が他国の国家的な支持を受けた例はなく、日本初とみられる。
「CTG」作成を計測器のIoT化で遠隔で実現、妊婦を見守るプラットフォーム
同社が展開するサービスは、胎児心拍数と子宮収縮圧を計測し、Bluetoothおよびネットワーク経由でクラウドサーバに送る「分娩監視装置iCTG」と、経過観察するための胎児心拍数陣痛図(CTG:Cardiotocogram)を遠隔で受け取り、生成できるシステム「Melody i」から構成される。妊婦の腹部にiCTGをあてると計測され、Bluetooth接続でスマートフォンやタブレットのアプリケーション内に結果が表示される。2018年にクラスII医療機器の認証を取得しており、医師による胎児の診断に活用可能だ。妊婦が自宅にいながらCTGを作成・管理できることで、周産期医療における遠隔医療を実現する有力なツールとして大きく注目されている。現在国内では日本産婦人科医会と共同で「在宅・遠隔胎児モニタリング」の効果検証を行う広域実証研究を全国13の医療機関と行なっているほか、タイやナイジェリアなど、海外でも導入事例が蓄積されつつある。
日本とブータン、皇室同士の親睦が導入を後押し
今回発表されたブータン政府の発表では、同社とブータン保健省が協働し、ブータン国内に周産期サーバーを設置。国土全体をカバーする世界一の周産期リファラルネットワークを構築する。その端緒としてまずは20台のiCTGを購入し、20地区に配布するとしている。
同社によると、今回のブータン政府の決定には日本とブータンの皇室同士の交流が後押しとなったようだ。実は秋篠宮妃殿下紀子様が、悠仁様ご出産の際に「モバイルCTG」を使って胎児管理をされており、昨年秋篠宮両殿下並びに悠仁様がブータンを訪れ、ブータン国王夫妻と親交を深められたことが影響しているという。