3Dプリント義足事業を展開するインスタリム、シリーズAで2.4億円の資金調達実施 海外展開加速へ

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 3Dプリンティングおよび機械学習(AI)技術を活用した低コストでの義足製作技術を有し、主に海外で事業を展開するインスタリム(東京都)は、インクルージョン・ジャパン、Mistletoe Japan、慶應イノベーション・イニシアティブ、三菱UFJキャピタル、ディープコアの各社へ第三者割当増資を実施し、シリーズAラウンドとして総額2.4億円の資金調達を完了したと発表した。調達資金を活用し、現在主に展開するフィリピンでの事業強化、他国での新規展開を目指す。

圧倒的低コスト・短納期の義足販売でアジア途上国の社会課題解決を目指す

 同社は、専用の3DプリンターおよびAI技術を活用したデジタル製造ソリューションを保持し、通常1本あたり30~100万円、納期1ヵ月程度である義足を、従来の約10分の1以下の価格と短納期で納品できる「3Dプリント義足」をフィリピンで製造販売している。すでに400名以上に販売したほか、購入希望者が1,600名以上いるという。

 同社では、特に医療アクセスに乏しいアジアにおいて、糖尿病性壊疽などの血管疾患や交通事故などで脚の一部を無くしたにもかかわらず義足を購入できない人々へ廉価で義足を販売し、社会参加を促進するなど社会課題を解消する一手となることを目指している。今回の資金調達のほかに経済産業省の「事業再構築補助金(1億円)」、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「課題解決型福祉用具実用化開発支援事業(0.5億円)」などでも支援を受けており、今後はフィリピンでの事業強化、インドでの新規販売開始、サブスクリプション販売の開始など事業展開を加速させる。

 今回の資金調達と今後の事業展開について、代表取締役CEOの徳島泰氏は「開発途上国のほとんどの下肢切断者が義足を持てないことでまともな職にもつけず、貧困の連鎖に飲み込まれているという社会問題の解決は、長年解決不可能として放置されてきた。弊社の3Dプリント義肢装具製造ソリューションは、世界で唯一、この悲惨な社会問題を解決し得る技術であり事業であると、強い自信と誇り、情熱を持っている。必要とするすべての人が、義肢装具を手に入れられる世界をつくりたい」と述べている。

 

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Posted by medit-tech-admin