日本医師会関連団体、次世代医療基盤法に基づく2社目の認定事業者に決定
内閣府、厚生労働省らは2020年6月30日付で、次世代医療基盤法に基づく「認定匿名加工医療情報作成事業者」に一般財団法人日本医師会医療情報管理機構(J-MIMO)、「認定医療情報等取扱受託事業者」にその関連会社であるICIを認定したと発表した。ICIは一部業務を日鉄ソリューションズに再委託する。
J-MIMOがデータ収集、加工はICI 日鉄ソリューションズはデータセンター運営など
医療情報を匿名加工した上で、民間の研究機関等にも開示することを可能とする「次世代医療基盤法(医療ビッグデータ法)」に基づく2団体目の事業者認定が行われた。今回認定されたのは、日本医師会の関連団体である「一般財団法人日本医師会医療情報管理機構(J-MIMO)」。この事業のために設立された団体で、事実上日本医師会が認定されたといえる。日本医師会はもともと、公的医療保険の還付を受けるためのレセプト(診療報酬明細書、調剤報酬明細書)作成ソフトウェア「ORCA PROJECT」を専門の管理団体の下で開発・提供しており、日本有数の医療データを日常的に取り扱う団体でもある。ICIはその専門の管理団体「日本医師会ORCA管理機構」の子会社で、こちらもこの事業のために設立された会社だ。
今回認定されたスキームでは、J-MIMOが医療データの収集と提供者個人への告知、同意取得、開示希望の団体の審査などを担い、匿名加工を含めたデータの取り扱いをICIに委託する。匿名加工やデータ解析など主な業務はICI自体で行うが、データセンター運営などは日鉄ソリューションズに再委託する。ICIはこの事業に関して、日本医師会の関連団体であることから、全国の地域医師会や全国の地域医療連携協議会、全国の診療所からの電子カルテデータ、死亡データを収集することが可能であり、それらと介護データ、健診データ、生活データなどを突合・統合して分析できるのはICIのみのアドバンテージであるとWebサイトでアピールしている。
なおICIには、凸版印刷がすでに事業認定を見越して出資しており(既報)、今後研究機関だけでなく幅広く利活用希望の企業・団体を募集していくものとみられる。