日本航空(JAL)とドローン関連ベンチャー米Matternet(マターネット)は2020年9月22日、業務提携したと発表した。Matternet社のドローン「M2」を活用した医療物資輸送などの事業性を評価するという。日本航空は東京都が実施するドローンによる配送実験にも参画しており、こちらでの活用も検討する。
ピット間の無人・目視外飛行による医療物資輸送の実証実験を検討か
米MatterNetは都市におけるドローン配送プラットフォームを手がけるベンチャーで、荷物を配送できるドローン「M2」を核とした実験等をパートナーと進めてきた。無人発着ができるピットを設置し、ピット間の移動を遠隔操作で指示する完全無人の目視外飛行を可能としているのが特徴だ。これまで輸送大手UPSやスイスポスト(スイス国営の郵便事業会社)と提携し、それぞれの国内の病院間での医療物資輸送を実現してきている。今回、JALは同社と提携することにより、日本国内における医療物資輸送の事業性について調査を行い実用化を検討する。
なおJALは先日東京都が実施を発表した「ドローンを活用した物流サービス等のビジネスモデル構築に関するプロジェクト(受託事業者:三菱総研)」のプロジェクトの一つに採択されており、今回の発表ではMatterNet社のドローン「M2」を活用して実証実験に参加する旨が報告されている。それによると、協力事業者のメディセオの東京都下の拠点から、近郊の聖路加国際病院へドローンで医薬品を配送することが想定されているという。周辺情報を総合すると、隅田川上空を活用するルートを検討しているものと思われるが詳細は明らかでない。なお、実証実験は令和3年に予定されている。