デジタル庁は20日、かねてより開発していた新型コロナワクチン接種証明書のアプリを公開した。利用は無料だが、マイナンバーカードによる本人認証が必須となっている。カードによる認証後、政府のワクチン接種記録システム(VRS)から本人の接種履歴のデータを取得、アプリ内で表示する仕組みだが、すでにこのVRSのデータに多くの誤りが存在することが明らかになっており、政府はデータ入力を担っている自治体に早急なデータ修正を求めている。
マイナンバーカードによる認証でVRSから接種記録データを取得
政府が今回リリースしたのは「新型コロナワクチン証明書アプリ」。iOSとAndroid版が用意されており、ダウンロード、利用ともに無料。本人確認手段としてマイナンバーカードによる認証が必須で、アプリだけをダウンロードしても利用できない。証明書は国内用と海外用の両方とも発行できる(後者の発行にはマイナンバーカードに加えて有効なパスポートが必要)。
認証が終われば、証明書は国際規格準拠の二次元コードとして発行され、対応する各端末にかざすことでワクチン接種情報を提示できる。なおプライバシーに配慮して画面の大部分は二次元コードを表示し、氏名、生年月日等は必要に応じて画面をタップして表示する仕様。本人確認と二次元コード発行に機能を特化し、ワクチン接種履歴データは政府が別に開発済みの「ワクチン接種記録システム(VRS)」から呼び出して表示する。
しかし政府は同時に、このVRSのデータのうち約10万件に誤りがあるとも発表(16日時点)し、データ入力と管理を行う自治体に早急な修正を要請している。データが修正されないままでは、一部の利用者には間違った接種情報が表示されトラブルになることも考えられる。本人が直接間違いを訂正できるともしているが、多くは各自治体の努力に期待するしかない状況。VRSのデータは3回目接種の基礎データともなるだけに、迅速な訂正が求められる。