日医総研が報告書発表 「遺伝子検査専門クリニックは質の担保を」
日本医師会の関連団体である日本医師会総合政策研究機構(日医総研)は4日、「公的保険外・医療周辺サービス実態調査」の報告書を公表した。経済産業省の委託を受け実施したもので、公的保険適用も含む医療サービスの最近の動向について調査、提言もまとめている。
民間遺伝子検査 「国が主導しガイドライン見直しを」
報告書では様々な分野のサービスを類型した上で解説および提言を行なっている。遺伝子検査の分野では、特に保険外の民間サービス(いわゆるDTC検査)についての言及が多い。「占い等と類似のエンターテイメントとしての側面を有しているもの」と「疾病罹患リスクを判定する名目で遺伝子検査を提供している事業者」があると大別したうえで、消費者にはこの違いがあまり認識されておらず、誤った受診行動を招く恐れがあるとしてガイドライン等でフォローアップが必要と提言した。場合によっては国が主導しガイドラインの見直しを進めることが必要だとしている。また民間のサービスについて、さらに「受診勧奨が足らない」と指摘したほか、最近開業が目立つ遺伝子検査専門クリニックについて「質の担保が課題だ」と懸念を示した。
オンライン診療・健康医療相談 「定義が紛らわしい」
オンライン診療について、報告書では「技術革新のスピードが著しい」としており、今後、保険適用にむけて対象疾患の拡大要請が強まるとみられることから、学会ガイドラインや疾患別ガイドライン、実施医療機関の評価についての考え方を整理しておく必要があるとした。また、オンライン健康医療相談については医師が行う場合も含め、厚生労働省のオンライン診療ガイドラインが適用されないため、一定の質を担保するため、対応者の水準も含めたガイドラインが必要だとした。
またガイドラインそのものについても、「『遠隔健康医療相談』と定義しているが医療行為と紛らわしい」と指摘、見直しを求めている。
なお、報告書は日医総研のWebサイトからダウンロードできる。