政府の規制改革推進会議医療・介護ワーキング・グループ(座長:大石佳能子・メディヴァ代表取締役社長)は、19日に引き続き第2回の会議を開催した。この日はオンライン診療の保険適用拡大についてなどが議題になり、ヒアリングで出席した医療ベンチャーの患者に対するアンケートでは、対面診療より患者負担が増えたことが明らかになった。
患者の安心感が高く、かかりつけ医がオンライン診療を主に担っていることが明らかに
前回に続き、医療ベンチャーでオンライン診療サービスなどを展開するMICINからヒアリングが行われた。同社は、同社のサービス利用者837名の患者に行ったアンケートの結果を示した。それによると、オンライン診療を経験した患者のうち9割以上がおおむね安心して利用でき、おおよそ8割が対面と同等か、それ以上に相談しやすいと感じていることが明らかになった。また8割近くが以前に受診したことがある医療機関でオンライン診療を行ったこと、約65%が新型コロナが収束したのちもその継続を望んでいることも分かった。
一方で患者の費用負担は増大、多くがデメリットと回答
その一方で、3割が自己負担が増えたことをデメリットと感じていると答えた。アンケートでは保険診療のみを対象としているが、実際の支払い額はおおむね501円から2000円がボリュームゾーンとなっており、事実としても増えていることが示唆された。
「疾患制限の撤廃」「報酬額の引き上げ」を主張
アンケートを示したMICINは報告の中で「対⾯診療とオンライン診療の診療報酬の差分が患者⾃⼰負担として転嫁されている可能性」を指摘。普及を後押しするため疾患制限を撤廃し、対面診療と同等の評価まで診療報酬額を引き上げるよう求め、さらに具体的に「期中改定含め遅くとも次回改定までに」行うよう主張した。また、オンライン服薬指導についても、オンライン診療適応時のみの要件を撤廃し、対面診療後でも行えるようにすることや、電⼦処⽅箋の早期の実運⽤開始を求めた。