コーセー(東京都)は、現在の肌の状態と年齢から将来のシワ状態を予測するWebサービスを開発、提供を始めた。情報システム研究機構 統計数理研究所の研究者と共同開発した数理モデルをベースとしており、世界初の実用化としている。
肌情報データベースをもとに予測因子を特定
今回同社が提供を始めたWebサービスの核となるアルゴリズムは、情報システム研究機構 統計数理研究所 医療健康データ科学研究センターの野間久史准教授との共同研究で開発したもの。同社が7年間追跡調査し蓄積した48名の女性のデータを解析したところ、最終的に年齢、肌色の明るさ、肌の赤み、皮脂量の4要素によって「将来のシワレベル予測」ができることを突き止めた。また研究では皮脂量が多い人や肌が明るい人は、将来シワが早く進行する可能性が高いことなどが示唆されており、これらの知見も適切な美容提案を行う際の有益な手掛かりになるとしている。
スマホやタブレットで撮影した写真でシワを予測
提供開始したWebサービスでは、そのモデルに基づき、「皮脂量」「年齢」に関する質問と、スマートフォンやタブレットで撮影した顔写真の画像から、「今日」「5年後」「10年後」の3つの時間軸で“未来のシワレベルを予測”する。同社が展開する各ブランドのWebコンテンツから利用できるという。
同社は「シワは加齢に伴う最大の肌悩みと言われているが、その発生や進行は個人差が大きいうえに、個人を長期間追跡した経年変化のデータはほとんどなく、個人ごとのシワ予防に関する技術も確立されていなかった。当社では長期間にわたり同一人物の肌の経年変化に関する研究を続けており、その成果の蓄積が世界初の技術の開発につながった」としている。