順天堂大とアステラス製薬、「ダイレクトリプログラミング再生医療学講座」開設 1型糖尿病などの画期的治療法確立目指す
順天堂大学とアステラス製薬は今月、共同研究講座「ダイレクトリプログラミング再生医療学講座」を開設した。講座開設期間は2021年10月から3年間で、新しい糖尿病の治療法開発に長年取り組んでいる松本征仁氏(順天堂大学先進糖尿病治療学講座准教授)を特任教授に迎え、再生医療の新しいキラーアプリケーションの実用化を目指す。
「ダイレクトリプログラミング技術に基づく創薬」に取り組む
ダイレクトリプログラミングは、iPS細胞などの多能性幹細胞を介さず、体細胞から直接、目的とする細胞への誘導を可能にする遺伝子改変技術。不要な細胞の除去、または必要な細胞の補充だけでなく、不要な細胞を必要な細胞に変換することが可能になるため、これまで治療や治癒ができないと考えられてきた難治性疾患に対しても高い有効性を示すことが期待されている。同講座では「K因子」を用いたダイレクトリプログラミングによって、1型糖尿病等のアンメットメディカルニーズの高い疾患に対して治療効果を発揮する新規モダリティの創製、他の疾患への拡充研究を行うという。順天堂大学大学院医学研究科が、K因子を含む最適なダイレクトリプログラミング因子の組み合わせ検討をはじめとする基礎データを取得し、アステラス製薬がこの因子を利用した遺伝子治療による疾患治療への応用研究と最適モダリティの選択を担う。