LINEヘルスケアがオンライン診療に参入、11月よりサービス開始 予約から診療、決済まで一括提供を目指す
LINEヘルスケアは2020年9月10日、LINE社主催のオンラインイベントで、11月よりオンライン診療サービス「LINEドクター」を開始すると発表した。LINEアプリ上で医療機関の検索から予約、診療、決済まで一括して行えるようにする。同日から登録医療機関の募集を開始した。
医療機関側には決済手数料以外無料の基本プランを設定 サービス開始後有償プランも
同社が11月にも開始するサービスの特徴は、医療機関の検索から予約、オンライン診療、診療費などの決済までLINEアプリひとつで行えるようにすることだ。詳細な仕様は現時点で不明だが、現在提供している遠隔健康医療相談アプリのように、LINEアプリの中に「LINEドクター」を新設、そこでワンストップでのサービス提供を行うとみられる。また費用については、初期費用・月額費用無料で決済手数料3.5%のみ徴収する基本プランを設定。サービス開始後にはより機能を充実した有償プランを設ける見込みも示している。
なおMed IT Techの取材に対し、LINE PR室は登録医療機関に決済も含めた全機能の一括利用を求めるのかについて「決済サービスについては、現時点ではLINEPayおよびクレジットカード(LINEPay登録のクレジットカード)の決済を予定している」と回答した。現在、LINEでオンライン診療を行う医療機関は、決済手段としてPayPayが提供するオンライン診療用サービス(現在は利用料・決済手数料無料)を利用しているケースがほとんどとみられるため、対応が注目される。
また、同社が現在提供しているチャットによる遠隔健康医療相談サービスとは違い、医療行為を提供するサービスとなるため、各種関連法令の規制を遵守する必要が出てくる。具体的には、医療法による広告表示規制や医療広告ガイドライン、景品表示法や不正競争防止法、オンライン診療ガイドラインが定める内容だ。特に「LINEドクター」が提供する検索・予約機能は、その仕様によってはフリーアクセスの原則を大きく損ない、不適切な比較優良広告に該当する可能性も出てくる。これらの点について、LINE PR室は「仕様の詳細につきましては、リリース日が近づきました頃に改めて案内する」と回答している。