エルピクセル、ベトナム進出へ向け国営通信グループ傘下の病院での実証実験に合意
エルピクセル(東京都)は、ベトナム国営通信グループ傘下の総合病院「ハノイ郵政病院」での同社の画像診断支援AI「EIRL(エイル)」シリーズの実証実験(PoC)を開始することに合意したと発表した。同国内での販売を見据え、技術的適合性や診断ワークフロー上での有効性を検証する。
実証実験後に本格的な上市に向け協議予定

今回の実証実験では、ベトナム国営通信グループVNPT-ITの医療用画像保管通信システム(クラウドPACS)を活用し、胸部X線、胸部CT、脳MRAを対象としたEIRLシリーズ各製品を導入、技術的適合性や診断ワークフロー上での有効性を検証する。検証結果を踏まえ、ベトナムでの導入・普及に向けた協議を開始する予定だという。
ベトナムをはじめとする東南アジア諸国では、人口当たりの医師数が日本の半分以下であり、医療サービスの質についても都市部と地方の地域差が大きく、都市の大病院に患者が集中し医療リソースのさらなる逼迫を引き起こしている。ハノイ市内のある病院でも、地方から泊まりがけで診察を受けに来る患者が多く、これに対応するため放射線科は週7日24時間稼働をしている状況だという。
同社はこうした背景から、日本以上に画像診断支援AIのニーズは高く、加速的に普及が進む可能があると見込んでおり、今回の実証実験を通じてベトナムでの販売開始を見据えている。