LUXONUS、「光超音波3Dイメージング装置」の承認申請 無被ばく、無侵襲、超高解像度の血管撮影が可能に

(日本科学技術振興機構が公開している動画より)

 無被ばくで造影剤を用いずに血管を可視化する独自の光超音波3D/4Dイメージング技術を研究開発するLUXONUS(神奈川県川崎市)は6日、規制当局のPMDA(医薬品医療機器総合機構)へ同技術を活用したイメージング装置の承認申請を行なったと発表した。

創業から約3年で承認申請 2022年には医療機器として上市へ

 同社は、文科省「先端融合領域イノベーション創出拠点形成プログラム」(2006 年度~2015 年度)と内閣府・革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)「イノベーティブな可視化技術による新成長産業の創出」(2014 年度~2018 年度)で開発された「光超⾳波イメージング技術」を実⽤化するため、2018年12月に設立されたスタートアップ。 同社の持つ「光超音波イメージング技術」は、生体にパルス光を照射した際に発生する超音波を特殊なセンサーで補足し、受け取ったデータをコンピュータ解析により画像化する技術。今回承認申請を行なった装置はこの技術を使い、造影剤を必要とせずに無侵襲、無被ばく、かつ超高解像度の3D/4D画像を撮影できる。微細な部位を撮影できるのが特徴で、血管やリンパ管を既存機器では捉えられない精度で可視化できることから、実用化されれば血管やリンパ管の形態や機能情報を得られるようになり、術前診断や治療効果の早期判定、またこれまで解明が困難であった疾患の機序の研究に役立てられることが期待されている。

 同社は承認申請にあたり、既存の医療機器である血流計を改良したものという考え方で、「管理医療機器(クラスII)」の「改良医療機器」のカテゴリーで申請を行った。PMDAとの対面助言を経てのもので、この申請内容であれば治験なしでの審査入りが可能となる。承認取得後はまず手足の血流障害の特定に活用する装置としての普及を目指すが、その後は閉塞性動脈硬化症や乳がん検査などへの用途拡大、また国内だけでなく海外展開も視野に入れるとしている。

 同社は9月、シリーズBラウンドとして慶應イノベーション・イニシアティブ、三菱UFJキャピタル、SMBCベンチャーキャピタル、フューチャーベンチャーキャピタルなどから合計で約4.3億円の資金調達を行なっており、現在この資金を活用して研究機関向けの理化学機器、および医療機器の上市に向けて取り組みを進めている。