前橋市、救急搬送時にマイナ保険証で医療情報を閲覧する実証実験開始

 群馬県前橋市が、救急搬送時にマイナ保険証を活用して傷病者の医療情報を参照する実証実験を2024年6月11日から開始した。市内の消防局11隊が参加し、搬送事例すべてを対象に行う。期間は約2カ月で、得られたデータを総務省消防庁が分析・検証し、来年度中の本格稼働を目指すという。

 実証事業は総務省消防庁との連携で行われるもの。救急現場で救急車を必要とする人のマイナ保険証を使用し、搬送先医療機関の選定に有効な通院履歴や服薬情報などを専用端末で閲覧することで、救急業務の迅速化や円滑化を図ることを目的としている。

手順は、
①119番通報受電の際、傷病者のマイナ保険証を準備するよう依頼
②救急現場で所持を確認
③口頭でマイナ保険証活用の同意取得
※意識不明等で同意を得ることが困難な場合に限り同意不要で閲覧
④医療情報を閲覧し医療機関などを選定

 前橋市消防局では実証実験の効果についてすでにシミュレーションしており、それによると最大で28分程度の搬送時間の短縮が見込めるとしている。消防庁は実証実験期間終了後、前橋市消防局からデータを受け取って解析する。なお政府は前橋市だけでなく、複数の都市の消防局と連携し同様の実証実験を進めるとしており、実証実験結果の検証を経て来年度中の本格稼働を目指している。