今月に入り、医療IT分野のベンチャーへの投資の流れが加速している。健保組合向けの遠隔診療・遠隔生活習慣改善サービスを展開するメドケア株式会社と、医療機関・医師向けのデータ分析サービスなどを提供するリーズンホワイ株式会社が、それぞれ第三者割当増資等の資金調達を発表した。
メドケアはリクルートと提携
株式会社リクルートホールディングスは2017年4月10日、自社が運営する合同会社RSIファンド1号を通じての、メドケア株式会社に対する資金提供を発表した。同社は今後、メドケアが展開する健保組合向けの遠隔診療・遠隔生活習慣改善サービス『DoctorsCrowd』の普及にともに取り組んでいく。4月19-21日まで東京ビッグサイトで開催されていた「ヘルスケアIT2017」では、オムロンヘルスケアのブース内に『DoctorsCrowd』のコーナーが設置され、メドケア社代表取締役社長・医師の明石英之氏自ら説明に立っていた。
「リクルート様と私たちの課題意識が合致し、同じ方向を向いていると確認できたので、一緒に取り組んでいくことになりました。私たちのビジネスをさらに進めていきたい」Med IT Tech編集部の取材(後日)に対し、明石医師はこのようにコメントを寄せた。
リーズンホワイはリサーチ会社、投資ファンドから資金調達
リーズンホワイは2017年4月21日、ヘルスケア領域の調査会社である株式会社アンテリオ、投資ファンドのファストトラックイニシアティブ、DBJキャピタル株式会社より資金調達を発表した。同社は医師同士が、実名で効率的な情報共有を目的とするツール『Whytlink(ホワイトリンク)』、DPC病院の公開データと市町村人口データなどのオープンデータ同士を統合した分析ツール『WhytPlot(ホワイトプロット)』を提供している。調達資金でこれらのサービスを充実させ、さらに2017年秋にサービスインを予定する、患者と専門医を的確に結び付ける「FindMe (ファインドミー)」の開発を加速させるとしている。