国産の手術支援ロボットの開発販売を目指しているメディカロイドは2020年8月11日、9日付で同社の「hinotori™️」が製造販売承認を取得したと発表した。今後は同社株主である川崎重工、シスメックスとともに連携して普及を推進するとしている。
国産初の手術支援ロボットの上市決定
2013年設立のメディカロイドは、産業用ロボット大手の川崎重工と、検査機器大手のシスメックスが共同出資した会社で、医療用ロボット開発を手がけている。なかでも主力として開発されているのが手術支援ロボット「hinotori™️」だ。
「hinotori™️」は「オペレーションユニット」「サージョンコックピット」「ビジョンユニット」の3ユニットで構成される。手術を実施するオペレーションユニットのアームはヒトの腕に近いコンパクトな設計とし、アーム同士やアームと助手の医師との干渉を低減。またこのコンパクトな設計が清潔野の医師の操作スペースを広く確保することに繋がり、医師の操作性向上が期待できるものとなっている。医師が座り実際に操作する「サージョンコックピット」は、各部の可動域が大きく、執刀医の姿勢にあわせることが可能な人間工学的な手法で設計されている。サージョンコックピットには高精細な内視鏡画像を3Dで映し出す「ビジョンユニット」がビルトインされ、精確な手術をアシストするという。
川崎重工が開発・生産、シスメックスが代理店として協働
今回の販売承認を受け、同社は親会社である川崎重工業、シスメックスと販売推進、普及に向け提携を強める。具体的には開発・生産は川崎重工が担当し、適応診療科の拡大に向けたオプション部品のさらなる開発などを行う。シスメックスは検査機器販売等で培ったネットワークを駆使し、販売促進のおよびサポート体制の構築を進める。8月中にも販売を開始し、まずは前立腺がんなどの泌尿器科領域での手術利用を見込み、2022年には米国や欧州など海外へ進出する考えだ。