メタジェンセラピューティクスと順天堂大学が共同研究講座「細菌叢再生学講座」を開設

 

 メタジェンセラピューティクス(山形県鶴岡市)と順天堂大学は、共同研究講座「細菌叢再生学講座」を2022年4月1日付けで開設した。同大学が研究する腸内細菌叢移植療法(FMT)のさらなる臨床応用・創薬研究を加速させるという。

腸内細菌叢移植療法の研究多角化・加速へ

 近年、腸内細菌叢の乱れ(ディスバイオーシス)と様々な疾患との関連が明らかになっており、ディスバイオーシスを改善し、健康な腸内細菌叢の再生を目的とした腸内細菌叢移植療法(FMT)が副作用の少ない細菌学的治療として注目されている。順天堂大学消化器内科 腸内細菌研究グループは、潰瘍性大腸炎(UC)に対して有効なFMT手法の確立を目指し、抗菌剤療法併用FMT(Antibiotic FMT: A-FMT)の臨床研究を行なっている。最近では、UC患者約200例の臨床研究データから、治療効果が腸内細菌叢の変化と関連し抗菌剤療法との併用が効率的な腸内細菌移植に貢献していることが明らかにした。他方、メタジェンセラピューティクス社は、以前より進めている安全な腸内細菌叢溶液の製造・提供システムを構築し、2022年から先進医療での更なる実装化の展開を計画している。今回この両者が共同で講座を開設し、抗菌剤療法併用FMT(A-FMT)の臨床研究、FMTにおける有用菌の定着メカニズムの探索研究など複数のテーマを設定し研究を進めるという。設置期間は2022年4月1日から2025年3月31日の3年間となる。