厚生労働省「電子処方箋推進協議会」設置、初会合 まずはHPKIカードの配布急ぐ

 厚生労働省は27日、今年1月より電子処方箋の運用を開始したことを受け、今後の普及についての協議会を設置し初会合を開催した。会合では現時点での運用施設数が明かされたほか、現場から指摘されている課題とその対策が話し合われた。

運用開始した施設は684施設

提出資料より(以下同様)

 会合で同省が明らかにしたところによると、今年2月19日時点で電子処方箋を運用開始できた施設は684施設となっており、立ち上げ期であることを考慮してもかなり少ない状況であることが明らかになった。また、運用に必要な資格確認に必須のHPKIカードについて、申請しても届いておらず、そのため運用開始できない事例が発生していることも報告された。

 そこで同省では、カードの配布遅れを解消するため発行のための専用窓口「HPKIファストトラック窓口」を設置し、カードが到着次第すぐに運用を開始できる施設に限って特別に対応することを示した。対応状況は今後の協議会で定期報告するという。

 今後同省では、導入意欲の高い機関のほか、公的病院での導入に優先して取り組み、そこから面的に拡張するなどの普及策を進める意向だ。現在、システムベンダーの多くが資格確認システムを組み込むための改修が完了していないという事情もあり、それを待ってから普及策を本格化させ、再来年度末に導入完了というスケジュールを描いている。

資料リンク:第1回電子処方箋普及協議会(厚生労働省)