厚生労働省は2017年8月2日、かねてより進めるとしているデータヘルスと支払機関の改革のため、大臣直轄の「データ ヘルス・審査支払機関改革アドバイザリーグループ」を新設すると発表した。メンバーにはサイバーセキュリティ、ヘルスサービスリサーチ、医療におけるディープラーニングの専門家などが選ばれ、改革の方向性が垣間見えるものとなった。
セキュリティ、リサーチ、AIの専門家を招聘
このグループは厚労省が年初に工程表を発表した(既報)、保健医療データプラットフォーム構築を進めるための分析部門と位置づけられるとみられる(工程表にも記載がある)。メンバーはまだ予定とされているが、データヘルス改革を提唱してきた「保健医療分野におけるICT活用推進懇談会」「保健医療分野におけるAI活用推進懇談会」の流れを汲むかたちで、これらの懇談会に列席してきた宮田裕章氏(慶應義塾大医学部教授)、宮野悟氏(東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター長)のほか、松尾豊氏 (東京大学大学院工学系研究科特任准教授)が招聘されており、公的医療保険の運用にAIを構築、活用する方針を改めてにじませたものになっている。またこの分野のリサーチ(ヘルスサービスリサーチ)の専門家である田宮菜奈子氏(筑波大学医学医療系教授)のほか、サイバーセキュリティの研究で知られる高倉弘喜氏(国立情報学研究所アーキテクチャ科学研究系教授)も名を連ね、工程表にも記載のある「医療の質の評価に関する研究」や、データを強固に守る堅牢性についての研究もなされるようだ。今後の予定はまだ公表されていないが、来年度にはデータプラットフォームの構築に入るとされているだけに、急ピッチでの検討が求められそうだ。