2018年12月20日、「医療情報の提供内容等のあり方に関する検討会」の第12回会議が都内で開催され、2019年度予算措置で「医療広告協議会(仮称)」を設置し、ウェブサイト上の医療広告の監視指導体制を強化することなどが了承された。
改善効果見られるも、「未審査」「未通知」積み残し多数
検討会ではまず、一般財団法人 日本消費者協会に委託している「医療機関ネットパトロール」の成果について報告があった。2018年度の上半期(4月~9月)では一般通報995件、キーワード検索で抽出された142件の計1,137件が審査対象となり、その前の前半期より大幅に審査対象が増加した。審査した結果、違反疑いありとなり医療機関へ通知した件のうち、9割超で改善が見られるなど成果を上げた。しかしその一方で、1,137件のうち約4割の444件が審査に着手できておらず、さらに審査未了が257件にも及んでおり、全体の約6割が「審査待ち」で積み残しになっていることも明らかになった。また、審査は終了しているものの、違反疑いありと通知すべき181の医療機関にまだ通知がなされていないことも報告された。予想以上の通報数に、体制が追いついてないことが推察される。
体制強化へ、「医療広告協議会(仮称)」を設置
厚労省ではこの対策を含めた体制強化のため、来年度予算での予算枠増加、および「医療広告協議会(仮称)」を設置する。厚労省や自治体、インターネット業界団体や医療関係の関連団体で構成し、指導内容をここで協議した上で、通知・事務連絡等で自治体に周知する。自治体の個別判断で指導内容に差異が生じる事例が増加しているためだ。厚労省では、協議会で個別具体例を蓄積し、情報共有を進めたいとしている。2019年度中の設置を目指す。