厚生労働省、医療機関以外のWebサイトでの口コミ規制事例を提示

 

厚生労働省が2018年10月24日付で、医療広告ガイドラインに関するQ&Aの改定を行ったことを各方面に事務連絡した。その中で、医療機関以外のWebサイトに掲載される体験談、いわゆる口コミについての規制可否についても、具体的な事例をあげながら規制の基準を示した。

規制基準の「誘引性」により具体的な解説

医療広告ガイドラインについては、厚生労働省が設置している「医療情報の提供内容等のあり方に関する検討会」が定期的に会合を開き、ガイドラインおよびその補足資料であるQ&Aについて議論を行っている。今回の改定はその議論を踏まえたもの。その中で、大きな注目点のひとつであった医療機関以外のWebサイトに掲載される体験談、口コミにおいて、どのような事例を広告とみなし規制対象とするかが明記された。

今回改定されたQ&Aの「Q1-18」において示された規制基準
(誘引性があると判断する事例の例示として)

  • 医療機関が患者やその家族に(有償・無償を問わず)肯定的な体験談の投稿を依頼した場合
  • 依頼せずとも運営者が体験談の内容を改編、否定的な体験談を削除など編集している場合
    (※体験談が名誉毀損等の不法行為に当たる場合を除く)
  • 依頼せずとも肯定的な体験談を優先的に上部に表示するなど、体験談を医療機関の有利に編集している場合
  • 以上の編集行為を医療機関が依頼したものであること
  • 依頼せずとも、事後的に医療機関がそのように編集されたサイトの運営費を負担する場合

[Q&Aの内容をMed IT Tech編集部が箇条書きに整理したものです]

このように「誘引性」の定義について従来より具体的な解釈が示された。有償無償を問わず、医療機関に有利な体験談、口コミが残るように意図的に編集している場合、またそれが直接的に医療機関の金銭負担によるものでなくとも規制対象となり得るということを示した。なお最後にある「事後的に医療機関がサイトの運営費を負担する場合」の具体例はQ&Aには示されなかったが、9月までの議論の中では「運営費等で医療機関から広告料や何らかの登録料の形で便宜が図られて」いる場合と厚労省の担当官が発言しており、幅広い解釈を行い得ることが示唆されている。