厚生労働省は2020年11月13日、オンライン診療指針の見直しに関する検討会を2日に続いて開催した。この日はオンラインでの「初診」を認める要件を中心に議論した。
「受診歴」を軸にケースを整理、議論
この日の議論のはじめは「オンライン診療で認められる『初診』の定義」についてだった。厚労省は検討会に対し、受診歴を軸にしてケースを以下の4つに整理。それぞれに具体的な要件を提案した。
ケース1:すでに診断され治療中の慢性疾患のほかに、新たな症状がみられた場合の診断・処方
ケース2:過去に受診歴があり、新たに生じた症状についての診断・処方
ケース3:過去に受診歴のない患者に対しての診療
ケース4:過去に受診歴がなく、かかりつけ医等からの情報提供を受け新たに生じた症状についての診断・処方を行う場合
ケース1と2については、受診歴があっても12ヵ月以上過去の場合は対面とすることに対し、一部の構成員からもっと長期間でいいのではという意見があった以外は特に異論はなく、議論のほとんどはケース3と4に集中。ケース3で受診ではなくても健診や予防接種を12ヵ月以内に受けていれば認めるとしたり、ケース4で患者のそばに看護師がいれば認めるという、いわゆる「D to P with N」ならば認めるという提案が入っていたが、いずれも構成員からの賛成多数は得られず、継続して議論することになった。
医療圏を越えてのオンライン診療も議論
現行のガイドラインでは、オンライン診療を行っても一定期間には必ず対面診療を行うこと、不測の事態にそなえ「約30分以内に通院・訪問可能」な範囲でオンライン診療を行うことが求められているが、この日は経済財政諮問会議や規制改革推進会議から認めるよう意見が出されている(既報)、二次医療圏をまたぐ診療にどう対応するかといった課題についても議論された。厚労省はこの場合でも「速やかに対面診療を受けられる医療機関を受診前に確保しておく」ことを要件に認める案を提示し、特に異論は出なかった。